なぜ、私たちは「姿勢」を入口に選んだのでしょうか。

肩こりや腰痛は、多くの人が一度は経験したことのある身近な悩みです。

厚生労働省の調査では、男性の自覚症状の第1位は腰痛、女性の第1位は肩こりであり、日常生活の中で多くの人が身体の不調を感じています。

また、民間調査では約75〜80%の人が「自分の姿勢が悪い」と感じている一方で、多くは「気にはなるけれど、どう改善すればいいのか分からない」という状態にあります。

つまり、姿勢は特別なテーマではありません。

多くの人が気になっているにもかかわらず、行動につながりにくいテーマなのです。

それなのに、姿勢解析は一般には広がっていません。

歩数は、スマートフォンを持って歩くだけで自動的に記録されます。

食事は、料理を撮影するだけで記録できます。

しかし、姿勢解析は少し違います。

正確に解析するためには、スマートフォンを固定し、全身が写る位置まで離れ、正面や側面から撮影しなければなりません。

一人で撮影するには、思っている以上に手間がかかります。

私たちは、この「撮影するまでの認知負荷」こそが、姿勢解析が一般向けサービスとして広がりにくい最大の理由ではないかと考えました。

その結果、多くの姿勢解析サービスは、スタッフが撮影をサポートできるスポーツジムや整体院など、店舗での利用を中心に発展してきました。

これは、店舗ならスタッフが撮影をサポートできるからです。

つまり、課題は姿勢解析技術のAIではなく、「撮影」を含めた体験の設計にあったのです。

そこで私たちは、発想を変えました。

「自宅で撮影してもらう」のではなく、「撮影してみたくなる場所をつくる」。
それが、BODY BALANCE CHECK Experience Kitです。

Experience Kitは、約2坪のスペースに設置できる体験型ソリューションです。

利用者はその場で姿勢を撮影し、後日オンラインで解析結果を受け取ります。

姿勢解析を「難しい健康管理」ではなく、「買い物や施設利用のついでに試してみたくなる体験」として設計しました。

店舗では「気づき」を生み、解析結果では「行動」につなげる。

Experience Kitの中心にあるのは、姿勢解析そのものではありません。

姿勢解析は、自分の身体に興味を持つためのアイキャッチです。

「自分の姿勢はどうなっているんだろう。」
そんな小さな興味が生まれた瞬間、人は自然と身体に関する情報や商品、サービスにも目を向け始めます。

Experience Kitでは、その体験の出口として、身体に関する商品やサービスを紹介するPartner Shelfを設けています。

商品を先に並べるのではなく、まず体験を通じて自分の身体を知り、その関心が高まったタイミングで商品やサービスと出会う。この順番を大切にしています。

さらに、体験は店舗で終わりません。

後日お届けする解析結果レポートには、姿勢の状態や身体の特徴を確認できるだけでなく、その内容に関連した商品やサービス、お役立ち情報などを紹介する仕組みも組み込んでいます。

つまり、店舗で生まれた「自分の身体をもっと知りたい」という気持ちを、自宅で解析結果を見る時間までつなぎ、継続的なコミュニケーションへ発展させることができます。

私たちが届けたいのは、一度きりの姿勢解析ではありません。

店舗での体験と、オンラインでの気づきをつなぎながら、身体への関心を行動へ変えていく体験そのものです。

店舗で生まれた身体への興味を、その場で終わらせず、解析結果を通じて次の選択や行動へつないでいく。それが、私たちが設計した体験です。

Experience Kitは、体験をデザインするためのプロダクトです。

BODY BALANCE CHECK Experience Kitは、姿勢解析を広めるための機器ではありません。

生活者が身体に興味を持つきっかけをつくり、その興味を商品やサービスとの新しい出会いにつなげるための体験メディアです。

私たちは、商品を説明する前に体験があり、体験のあとに自然な興味が生まれる世界を目指しています。

BODY BALANCE CHECK Experience Kitは、その考え方を形にした最初のプロダクトです。

店舗では身体との出会いをつくり、解析結果では次の行動との出会いをつくる。BODY BALANCE CHECK Experience Kitは、その一連の体験を設計するためのプロダクトです。

これからも『なぜ広がらないのか』という市場の構造から考え、体験を起点に新しいコミュニケーションを設計していきます。